2014年1月15日水曜日

事を行われた神よ。

 御力を示してください。

 詩篇68篇は「歌」と題された詩篇の最後。これまでの3篇と比較して少々長大、断片の連続が理解を難しくしていますが、神殿建設の準備をしようとするダビデが、イスラエルの歴史を懐古して幾つかの場面に焦点を当てていると考えると、状況を想像しやすいかもしれません。
 1〜4節は紅海を渡る直前のモーセ、イスラエルの祈りに始まり、勝利の喜びの時が来る。5〜10節は荒野の旅路から約束の地での定住まで。主が先立ち行かれ、彼らは安息を得ます。11〜18節は周囲を平定してイスラエルが繁栄に向かう様。
 しかし重要なのは、民の苦労、指導者の尽力がたたえられるのではなく、19節「ほむべきかな。日々、私たちのために、重荷を担われる主。私たちの救いであられる神。」と、重荷を担われたのは主なる神であると覚えられていることです。
 映画「ロード・オブ・ザ・リング」で最後、疲労困憊した主人フロドを背負う僕サム・ギャムジーの姿が思い浮かびます。指輪物語の主人公はこの指輪の主、フロドと旅の苦難を共にしたサム・ギャムジーであったと言われたりします。
 そして詩人は今日も祈るのです。神様がここまでを導いてくださったから、今日の必要をも導いてくださいと神様に祈る。
 28節「神よ。御力を奮い起こしてください。私たちのために、事を行われた神よ。御力を示してください。」
 この詩篇も最後は神を讃えて祈りを閉じます。
 35節「神よ。あなたはご自身の聖なる所におられ、恐れられる方です。イスラエルの神こそ力と勢いとを御民に御与えになる方です。ほむべきかな。神。」イスラエルではなく神がほめられるべき、それが間違ってはならない大切なことです。

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